「何それ?」
CDショップの袋を訝しげに見ながら、采花さんが訊ねる。
「お母さんのCD。今年も出ていたからつい買っちゃった。」
苦し紛れに笑ってみるけど、なんだか余計に淋しさが増してくる。
今年も買ってきて呆れてないかな。
いつまでも亡くなった人の影を追ってもしょうがないよね……
「来年は、「別に買ってきても良いんじゃない?来年も。」
あたしの言葉を遮って采花さんは喋り続けた。
「姉さんのCDを買ってくるのは世良の勝手だけど、
姉さんのコトを忘れようとして無理に忘れようなんてことしなくて良いと思う。
それに、忘れちゃったら、姉さんとの思い出も忘れようとしているのと同じでしょ?」
テーブルに肘を付きながらCDをいつの間にか開けて眺めている。
CDからあたしに視線を移すと、凛とした眼差しに目を逸らせなかった。
「だから、忘れなくていいと思う。ってか、忘れないで欲しい。
姉さんと過ごした思い出は全部大切なものでしょ。」
いつもはふざけたことばかり言っている采花さんが真面目なコトを言うもんだから、
何だか変な感じだけど、心がスッと軽くなった。
CDショップの袋を訝しげに見ながら、采花さんが訊ねる。
「お母さんのCD。今年も出ていたからつい買っちゃった。」
苦し紛れに笑ってみるけど、なんだか余計に淋しさが増してくる。
今年も買ってきて呆れてないかな。
いつまでも亡くなった人の影を追ってもしょうがないよね……
「来年は、「別に買ってきても良いんじゃない?来年も。」
あたしの言葉を遮って采花さんは喋り続けた。
「姉さんのCDを買ってくるのは世良の勝手だけど、
姉さんのコトを忘れようとして無理に忘れようなんてことしなくて良いと思う。
それに、忘れちゃったら、姉さんとの思い出も忘れようとしているのと同じでしょ?」
テーブルに肘を付きながらCDをいつの間にか開けて眺めている。
CDからあたしに視線を移すと、凛とした眼差しに目を逸らせなかった。
「だから、忘れなくていいと思う。ってか、忘れないで欲しい。
姉さんと過ごした思い出は全部大切なものでしょ。」
いつもはふざけたことばかり言っている采花さんが真面目なコトを言うもんだから、
何だか変な感じだけど、心がスッと軽くなった。
