渡り廊下を過ぎ旧校舎をこえて、上履きのまま外を歩いて、やっと校舎の離れにある体育倉庫についた。

見るからに古い、石造りで出来た倉庫のドアを開けると、中は相変わらずホコリ臭い。



「ケホっ、暗いな……荷物置いてちゃっちゃと戻ろうぜ」


なんて吉田がダンボールをテキトーな場所に置きはじめて、私もその後ろについて足を踏み入れた時──。




バタン!!!


急にドアが閉まる音が倉庫内に響いて、その瞬間 体育倉庫の中は真っ暗になった。



「……あ、開かない」

「はぁ?」


扉を開けようとしたけど、グッと強く押してもビクともしない。



「嘘だろ…」


吉田が慌ててドアに手を当てても、2人で一緒に押しても引いてもドアは全く動く様子がないというまさかの展開。



「……開かねえ」

「はっ!!スマホは?」

「俺の携帯も圏外だし…」


制服のポケットから携帯を取り出したけど、残念ながら電波マークに✕印がついてきる。