「マジやめろって」 「きゃはは」 ちょっとからかってやるつもりが、いつの間にかマットの上に私が倒れて、その上に吉田が……押し倒すような体勢になっているではないか。 「……」 「……」 ヤバい言葉が出てこない。この体勢と雰囲気ヤバくない? 「……中村?」 少しずつ、吉田の顔が近付く。 言葉が喉に詰まって出てこない。 どんどんと吉田の顔がアップになってく。 ……うわっ。 ギュッと目をつむった時だった。 ガガ…ガチャ!! と扉が開く音が響いた。