でも、こんなに奴が慌てて私から離れるなんて……もしかして、男の事情ってやつか?
あんだけ人の事からかってたくせに、余裕がなくなりましたってか?
これはリベンジチャーンス!!
「あれれ?吉田くん。どうしたのかな?」
私は、ふふんとばかりに口にしてやる。
そして1歩1歩…吉田へと近付く。
「ばっ馬鹿近寄んなって!!」
「何でかなぁ?」
そう言って、吉田の背後から耳に息を吹きかける。
もちろんさっきの仕返しだ。
すると吉田はバッと耳を隠し顔を真っ赤にしながら口を開いた。
「お前マジ襲うかんな」
「あはっ。吉田おもしろいね」
「笑いごとじゃねっつの」
「きゃはははっ」
この時、吉田の反応が面白くて、おかしくて、少し私は調子に乗り過ぎてしまったのかもしれない。



