静かにわたしの話を聞いていたニコラがゆっくりと口を開く。

『確かに、自分の好きなことや好きなものをバカにされたら悔しいし、自分自身を否定されているようで悲しいですよね……』

そこで言葉を区切ると、真面目な顔したニコラと視線が合った。

『起きてしまった出来事、つまり過去の出来事はどう足掻いても変えられません。
だけど、これから先の“未来”はキミ自身で変えていくことができるんです』

『可能性は無限大ですよ!ってちょっと大げさですかね?』そう言ってニコラは笑った。

『それに、一度きりの人生だからこそ、思いっきり自分のやりたいことをやってみたらどうですか??』

(やりたいこと……)

手に持っていたノートや本に視線を移す。