【完】再会した初恋の彼はチャラくて、イジワルで、ときどき優しい

頑張って稲葉くん。




試合開始から三十分。三セット目をむかえた現在、二十対二十の同点。




両校とも疲れが見え始めてきた頃、水谷が自身のスパイクで一点を追加する。





ピーッ!





「よっしゃ、あと少しだ」





海氷は後半からとてつもないスピードで点数を追加してきている。






まるで前半は本気を出さないでこちらの動きを伺っていたみたいだ。






「押されているわね」






千田先輩もこの状況に険しい顔をするほどだ。






「こちらの動きを三歩先見抜いている感じですね」






「稲葉の奴、また足腰の力が抜けとるの〜。このままじゃまた自分自身に負けてしまうぞい」