普段のお休みは部活で疲れて寝ているだけだったからな。ショッピングも全然出来ていない。





これだけでも稲葉くんは喜んでくれるかな?もしかしたら、愛想つかされるなんてことも………。





って、もうこんな時間!待ち合わせに遅刻しちゃう…!




夏の暑さの中、できる限り走ってようやく待ち合わせ場所に着くことが出来た。





着くと青のシャツに黒のボトムスとキャップを被った稲葉の姿が見えた。





「おーいここだここー!」




雅を見つけた稲葉は手を振って合図した。




「ごめんね稲葉くん。結構待ったでしょ?」






「いや問題ない。それに、髪とかに時間かかるのは女子は当たり前なんだろ?」





「どうなのかな?私が時間かかり過ぎただけなのかもしれないし」




私たちの年頃の子ならもっと時間をかけて準備してたんだろうな。




化粧や髪のアレンジだって、好きな人と過ごせるならどれだけ時間がかかっても楽しくやってそう。




不完全な状態なら周りから『あの人、ダサい』、『彼氏が可哀想』とか言われる可能せいだってあるのに。




なんだか稲葉くんに申し訳なくなってきた……。




「可愛い」





「え?」