「まーた監督がちょっかいかけたのか?」




練習着に身を包んだ稲葉くんがヒョイっと私の横から現れた。




「違うよ。メニュー配ってって頼まれただけだよ。ちょっと余計なこと言っちゃって千田先輩に怒られてたけど…」





「ま、いつもの事だな」





「そうだね」





放課後の練習が終わって着替えをしていると、千田先輩が予想としていなかったことを私に言ってきた。





「小鳥遊さんってさ、稲葉と付き合い始めたの?」





「えっ!?ど、どうしてそれを…!」