ここにいると息が詰まる。誰も信じられない。その言葉一つひとつが嘘に感じる。




男女合わせて6人か。水谷くん以外、全然名前が思い出せない。



楽しい時間もあったはずなのに、人ってこんな簡単に忘れるものなのね。




そういえば卒業アルバムはどこにいったっけ?きっと両親の寝室にあるんだろう。




私は見ないし。両親が私の中学生の頃の姿を楽しむものとしてあるだけだから必要ない。




「よっしゃー。皆揃ったところでカラオケ行こうぜ!今、学生割引していて食べ放題、飲み放題なんだ」




「いいね。行こういこう」





皆が前を歩く中、私は後ろでのんびり歩いている。




やっぱり私いなくても何も不自由がないな。このまま空気みたいになってやり過ごそう。





「小鳥遊さん!」





と思ってたのに声をかけてくる嫌な奴。それが……





「水谷くん。何か用?」