「顔赤い。説得力ないな」




「うるさい!!」



からかわれて怒った雅はぷいっとそっぽを向く。




誰のせいでこんな顔になっていると思ってるのさ。思い出したらまた体温が上がってきた。




「じゃあ話はこれで終わりだな。そうだ、スマホ出せ」




「はい」



スマホだけならいくらでも出します。



数秒後、スマホからピコン!と音がなり、画面にはバレーのユニフォームのアイコンと稲葉 渉の文字が表示された。



「そこは拒まないんだな。よし。これで俺の連絡先が登録された。もしクラス会の時に嫌になったら俺を呼べよ。すぐに迎えに行くから」




「ありがとう」




稲葉くんの連絡先。本来なら自分からお願いするものなのに。




人の考えていることをズバリ当てるんだから。