「で、この黒い液体は?」
床にしゃがんで液体に触れてみた。
さらっとしているけど、意外と肌にまとわりつく。
「これは、墨汁を水で薄めたもの。これを水風船に入れて、黒板に書いた的に投げるっていうゲームをしてたいの」
さっきまで行われていたゲームとやらを思い出してしまったのか、悲しげに床を見つめる小春。
「くだらなっ」
呆れすぎてそれ以上の言葉が見つからない。
マジでくだらない。
ガキかよ。いやガキだけど。
「「晶っ、あいつ何とかしてよ~‼」」
ドアの前で小春と立ち話をしているところに、ブス1ブス2こと、亜美と梨花が私に泣きついてきた。
亜美と梨花は一年生のとき隣のクラスだった。
二人とも根っからの悪い子じゃないんだけど、とにかくミーハーで、人によって態度を変えるという少々難アリなところがある。
私のことは自分より格上だと思っているのか、嫌な対応をされたことはないんだけど。
小春が私の親友だってまだ知らない時に、小春にきつく当たっていたことを私は知っている。
私、忘れないからね?
まあ、それはおいといて……。
