明日が終わる、その時まで【完】



「柴田くんは、見た目も雰囲気もすごく怖いし、自分よりも体格の大きな楠田くんを簡単に倒せるくらい強いけど……楠田くんみたいにむやみに乱暴なことをしたり、嫌なことを強制したりはしなかった。女子のことは眼中にないし、先生にも媚びない。運動神経も良くて、それで」

「はいはいはいはい。もうわかった」


私は小春の話を止めた。

これ以上聞かなくてもわかる。

柴田は腕っぷしもある、かといって楠田くんみたいに横暴なわけでもない、女子にも大人にも媚びない、それでいて見た目も整っている。


つまりアホな男子どもはその柴田大吾に心酔しちゃったわけだ。


〈強くてかっこいい〉って、男の世界でもヒエラルキーのトップに君臨するやつでしょ?

そりゃ、ピュアで真面目な男子なら、なおさら憧れの気持ちを抱きやすいだろう。



簡単にまとめると、男子は柴田という強力な後ろ盾を手に入れた気になって、調子に乗っているということだ。