明日が終わる、その時まで【完】



「そういえば男子、福沢(ふくざわ)くん以外いないじゃん」


小春の話を聞いて、今更ながら教室に福沢くん以外の男子がいないことに気づいた。

30人いるはずのクラスメイトが半分いない。

主に男子。ていうか男子。どこいったの?



「あのね、福沢くんが教えてくれたの。1年生の頃からずっと楠田くんの横暴さに男子は相当嫌気がさしてたんだって。でも楠田くんは体も大きいし、柔道もやっているから、やり返されるのが怖くて誰も言い返すことができなかったんだって。そんなときに柴田くんが楠田くんを一瞬で(ちから)で黙らせて……」

「あーなるほど。んで、男子はスカッとしたと」

「うん……」


小春は目を伏せて頷く。そしてさらに話を続けた。