明日が終わる、その時まで【完】


そのすぐ後のことだったんだと思う。


ガタンッ‼

という大きな音がして、咄嗟に柴田くんたちの方へ視線を戻すと、楠田くんが床に倒れていた。


「「きゃああー‼」


楠田くんのすぐそばにいた亜美ちゃんと梨花ちゃんの悲鳴が教室に響いた。


朝、先生に紹介されてから今までずっと黙っているだけだった柴田くんが、そこで初めて口を開いたの。


「うるせーよブス1、ブス2」


(うと)ましい表情を隠すことなく亜美ちゃんと梨花ちゃんに向けて、そう吐き捨てた。

亜美ちゃんと梨花ちゃんは顔を真っ赤にさせて怒っていたけど、言い返すことはしなかった。

柴田くんは、(さげす)むような顔で二人を見下ろしていた。


「お前もだ。二度と俺に軽口叩くんじゃねえ」


柴田くんはうつ伏せに倒れている楠田くんの背中を軽く蹴った。

私はその瞬間を見ていなかったけど、どうやら柴田くんは自分よりもずっと体格のいい楠田くんを簡単に組み伏せてしまったの。

楠田くんを見下ろす柴田くんの目は、本当に怖かったよ。


教室がこういう状態になったのはその次の日から。



男子がクラスをぐちゃぐちゃに壊し始めたの。