「ぐ、苦しいっ。晶ちゃんっ、苦しいよ」
この小さくて可愛らしい生き物は藤原小春。
幼稚園からずっと一緒の幼馴染で私の親友だ。
まさか同じクラスだって知った時は、神様仏様校長様に感謝した。
なぜなら、うちの高校は2年生からクラス替えがない。
同じクラスの子が気の合わない子だったら残りの2年間地獄だけど、気が合う子だったら卒業まで天国のようなシステムなのだ。
つまり、私の残り2年の高校生活は天国が保証されたってわけ。
インフルはついてなかったけど、小春と一緒とか本当に持ってるわーって思っていたのに……。
「ねえ小春、これなにがどうなってんの?」
私は小春を解放して、目の前に広がるカオスの理由を尋ねた。
「……ケホッ……実はね」
呼吸を整えた小春は、私がインフルでダウンしていた一週間を事細かに教えてくれた……――