胸の中を幸せでいっぱいにしてくれる三文字に、顔が勝手にほころんでいく。
「母さんが死んでから……誰かをこんなに好きだと思ったのは、お前が初めてなんだ」
耳を通して拾った言葉が、すべての細胞に運ばれていくと、全身に力がみなぎってくる。
温かい言葉は心を元気にする栄養だと身をもって実感する。
「人としても、男としても、お前が好きだ」
「…………えっ」
夢の中にいるかのようにふわふわしていた心が、現実に戻る。
人としても、男としてもって……なんで二回言ったの?
「これから先の俺の未来にも、隣に佐野がいてほしい」
私を抱きしめる腕の力が強くなる。
思わず、首を後ろに反って、柴田の顔を見上げた。
まるで今日の空のように、一点の曇りもない真っ直ぐな瞳が私をとらえる。
「…………なんか、それ……プロポーズみたいだね」
気恥ずかしさに、冗談めかしたことを口走ってしまう。
いつもみたいに「んなわけねえだろ」って呆れた顔で突っ込まれるのを待つも、
「そう取れるように言ったからな」
柴田は否定しない。
それどころか、私の冗談のような言葉を肯定する。
表情も変えずに、真剣に私に向き合う。
