私の体は、柴田の胸の中におさまっていた。
「……」
私を抱きしめたまま、黙り込む。
柴田の頸動脈の近くに顔が当たっているせいで、ドクッ、ドクッ、ドクッ――と、脈打つ動きをそばで感じる。
この振動は、人間が生きているという証。
だけど、柴田の脈拍は、少し早い。
ドクドクドクドクドクドクッ――ちょっと、早すぎる。
「……俺の方だ」
心配して顔を上げると、ようやく柴田の口が動いた。
「お前に出会えて嬉しいって思ってんの、俺の方だ」
「……うん」
そっか。柴田もそう思ってくれてたんだね。
柴田の思いに、心がほかほか温かくなる。
思いに応えるように、ありがとうと、声に出そうとしたときだった――
