私たちの周りだけが時が止まったかのように、静寂が流れた。
先にその時を進めたのは、柴田だった。
「…………お前、こんな場所でその冗談はよせ。本気で怒るぞ」
「冗談なんか言ってないよ」
まだ出会った頃、柴田がお母さんを殺したと言っていたけど、それは柴田が罪悪感からそういう解釈をしていただけだ。
私の場合は違う。
「私のママ、私を生んだ日に死んだの」
「……っ」
「体の弱い人だったから……妊娠して、出産まではギリギリ持ち堪えれたんだけどね。最後は出産の負担に体が耐えられなくて……私が生まれた30分後に亡くなったんだ」
「……はっ、……おまっ……だっ……」
柴田の声が、声にならずに空気に溶ける。
柴田にママのことを隠すつもりなんてなかったけど、いつかどこかでタイミングがあればって思っていて。でもまさか、今日がそのタイミングだとは思いもしなかった。
