明日が終わる、その時まで【完】









そして、黙って霊園の出入り口へ向かって歩き始める私を……――










「どこ行く気だよっ」







私の右手を、柴田が掴んで引き止めた。


掴まれた手は振りほどいても離れないことがわかるくらい強い力だった。





「ごめん、柴田。私、今日は帰らないといけない」


「なんでだよ。なんで、あんなひでえこと言われて黙ってんだよっ」


「……」




柴田、聞こえてたの?

咄嗟に、俯いていた顔を上げる。



「こんな静かな場所で、あんなバカでかい声で叫んでたら、嫌でも聞こえるだろ」




柴田は落ち着かないように、自分の頭をガシガシとかく。


そしてためらいながらも、私に確認をする。



「……あのばあさんが、本当にお前のばあちゃんなのかよ。なあ、嘘だろ?」



悲痛な声で私に問う柴田。


その目は「嘘だと言って欲しい」と訴えてくる。





「本当だよ。あの人は私のママのお母さん」


「……お前に、消えろって、姿見せるなって、孫に向かってそんなひでえこと普通言うか? しかも、あんな狂ったように叫んで……普通じゃねえよ」


「おばあちゃんは普通の人だよ。娘を思う愛情深い普通のお母さんだよ」


「だったらなんで、その子どもであるお前にあんな態度とれんだよっ」