明日が終わる、その時まで【完】




その真実がたとえ受け入れがたいものであったとしても、私たちは前に進むしかないから。

未来を見るしかないから。

そうしていれば、いつか、どれくらいかかるかわからないけど、笑える日は来る。


全然楽しくないのに口元だけ引っ張ったような嘘の笑顔じゃなくて。

心穏やかに、自然と笑える日が、きっと来る。


焦るわけじゃないけど、人生には限りがあるから。そして、いつ終わるかは誰にもわからないから、笑顔になる日が来るのは早ければ早いほどいいって私は思う。


そういう気持ちもあって、突っ走れたっていうのもあるのだ。




「お前なぁ……それを本人に向かって言うって、恥ずかしくねえのかよ」



顔こそそうでもないけど、柴田の耳は赤くなっていた。

そしてなぜか、福沢くんが無言でそっと席を立った。



「いや、全然」



恥ずかしいって、私わかんないな。

人を思う気持ちを言葉にして伝えることの何が恥ずかしいの?


胸の中に生まれる優しい気持ちを伝えないで秘めておくことなんて、私にはできない。

忍耐力が人よりないだけかもしれないけど。




「お前といるとマジで人生狂う。いや、すでにもうだいぶ狂ってる」



そう? 不愉快みたいな口ぶりだけど、その口元は楽しそうに見えるのは、私の気のせい?

その目が、嬉しそうに見えるのは、私の勘違い?


「いいじゃん。結構楽しいでしょ?」



予定調和にならないのも、悪くなくない?



「まあな」

「おっ、素直」


いつになく素直な柴田。


「だから、責任取れよ?」

「ん?」


責任? 責任って、なんの?





「ここまで俺の人生に入り込んでおいて、途中で投げ出すなよってことだ」






「はあ? そんなことするわけないじゃんっ」


私がそんな薄情な人間に見える?