明日が終わる、その時まで【完】




「一郎のやつ、今は電波の届かない国にいるらしいから」

「お兄ちゃんなにやってるの?」


電波の届かない国って、どう考えても普通の国じゃないよね。

思わず尋ねると、


「さあ? もっと世界を知りたいって中学卒業してからずっと世界中歩いてんだよ」

「なにそれ、お兄ちゃん最高にイカれてるね」


もちろん褒めている。


「まあな、晶ちゃんといい勝負するんじゃね?」

「私なんか足元にも及ばないって」

「いやいやいやいや。なに言ってんの?」


ケラケラ笑いながら私の謙遜(けんそん)を強く否定をする二郎。


「ちゃんと知ってんだからね。晶ちゃんが大吾をけしかけて、おばさんが死んだ本当の原因を探ってたこと」

「けしかけてって……まあ、そうか」


そういえば、けしかけたわ。


「でも佐野さん、どうしてあのマンションが盗撮されてるってわかったの?」


私の前に座る福沢くんが興味津々といった顔を向けてくる。


「それ俺も知りたい」


福沢くんの隣に座る二郎も福沢くんと同じように私の答えを待ち構えている。


「俺も」


私の隣に座る柴田までも、2人に同意する。


キャラの濃い三人の視線を一身に受けると、さすがの私も身じろぎしてしまう。

テーブルにあるオレンジジュースを一口飲んで、私は3人の疑問に答えた。