数分間だけ。

「令秋くん。大好きだよ」



暗くてよく見えないけど、きっと笑ってくれてるんじゃないかな。

そんな気がした。



「ねえ、手出して?」


私は令秋くんの腕をほどき、握られた両手を上から握った。


「令秋くんの手が、暖まりますように」

「俺の手が冷たいのは、情けないからなのに」


「それでもいいよ。好きだから」


心の中でそう願う。

そして、ずっと一緒にいられますようにって。


唇に一瞬だけ触れた。

キスに重さも関係ないんじゃないかな。

幸せだと思ったら、それでいい。



「えっと、もう一回……」



でもやっぱり、本能で求めてしまうものは求めてしまうらしい。



「だめ、これ以上は俺が止まらなくなるから」



離された手でもう一回抱きしめられる。


幸せのぬくもりが、私たちをそっと包んでくれた。