【短】邪魔な境界線


「カナは可愛いんだから大丈夫でしょ」

「どーも、ありがとーございますー。だからって『可愛い』連呼しないでくんない?ムカつくから」


全然嬉しくもないんだから。

だからこの楽しそうに笑う顔を摘んでやった。痛いと歪む顔を笑ってやる。


はたから見たらイチャつくバカップルにでも見えているのかな。残念ながら私たちは “友達” で “親友” 。でも今この瞬間だけそう見えているのなら願ったり叶ったりだ。


私と彼を結びつけるこの関係の名前がとことん邪魔でならないけれど、それでも今もこうして一緒にいられる幸せがあることに感謝するべきだよね。



「あのさカナ、彼氏欲しいのは分かったけど二股はすんなよ? さっき1人や2人って言ってたから一応念押しとくわ」

「ハア!? するわけないし!馬っ鹿じゃないの?! 恋愛上級者ぶるな!」


はー…やっぱ感謝なんてしたくないや。
邪魔だ。“友達”というカテゴリーが。


他の子なんて見ないで一番近くにいる私を見てよ。ばか。






【邪魔な境界線】fine.