「えー俺そんな女々しいの? てか女々しいって何。好きだから傍にいちゃいけないの?それすらも重いってわけ? どうよ」

「女々しいんじゃないの? ま、今までの彼女からしたら。私は……好きな人からこんなに好意を持たれてることって素敵だし、羨ましいことだと思うけどね……」


言ってて恥ずかしくなって、顔に集まる熱を冷まそうと残りのミルクティーを吸い込んだ。冷やすことに集中しすぎてしまったことでズズッと空気まで吸ってしまった音が響く。



「……アンタの独占欲素晴らしくて尊敬するよ」

「独占欲って……だって好きな人には自分だけを見て欲しいじゃん」

「うわー」


こっちは何年そう思い続けているか知らないくせによく言うよ。今の発言はイラッときた。


空になったグラスを持ってドリンクバーへ歩み寄る。


もうため息しか出ないや。少しはこっちの気持ちにも気づけって思うんですけど。もう5年ですよアンタに恋して。その間どんな思いで話を聞かされていたと思ってんだ。


あー…早く家に帰りたい。このままじゃ余計なことまで言っちゃいそう。


新たにレモンソーダをグラスへ注ぎもう一つため息をこぼした私は気持ちを切り替えて彼の元へ戻った。