「何言ってるの。離れるわけないでしょう?」

子供をあやすように、彼の頭を撫でた。

だって、私にはこの人しかいない。

心から愛している…まさに最愛の人。

もしそうでなければ、結婚なんてしない。

彼が、友達も羨むようないい男だからとか、そんなことは関係なく、気付けばもう離れられないほど大切な存在になっていた。

今の私ならば、ほんの少しだって浮わついた気持ちなどない。

明日、この人の花嫁になることに、何の迷いも不安もなく、ただ待ち遠しいだけ。

これまで、春樹には何でも打ち明けてきた。

だけど…決して言えない秘密がひとつだけある。