「そんなこと、思うはずがないでしょ? 重荷じゃなくて、さとみさんがいてくれることが俺の幸せなんだよ。それに、ファンのみんなも幸せになってって言ってたの聞いたでしょ?」
確かに聞いたよ。
みんな、応援してるって……。それを素直に信じてしまってもいい?
私の気持ちを伝えてしまってもいいのかな……。
「もし、反対されたりさとみさんが悪く言われるようなことがあったら、絶対に俺が守るから。さとみさんにそばにいて、俺の一番の味方でいて欲しいんだ」
怜也くんくんのその真剣な気持ちに、私はこれ以上拒めないと思った。
ここが外だと言うことも頭から抜けて、私は自分から怜也くんにぎゅっと抱きつく。
「あの日……きつい言葉で追い出してごめんなさい……」
絞り出した声はとても小さかったけれど、怜也くんにはしっかり届いたらしい。私を抱き締め返してくれた。
「本当は一緒にいたかったの……でも、迷惑かけちゃダメだと思ってわざときつく当たってしまった……」



