スケジュールが終わったあと、早速郊外にあるスケートリンクに連れてきてもらった。

着いたのは夕方で、リンクの貸し出しが終わった後に練習させてもらえることになった。

貸し出し終了時間までしばらくあったから、リンクの入り口近くの観客席に座って待っていた。

リンクには僕と同じくらいの女の子が一人滑っていた。

「綺麗だな…」

何故か彼女から目が離せなくて、じっと見入っていると、隣に僕にアイスホッケーを教えてくれるというコーチが来た。

「あの子、凄いでしょ。僕も最初に見たときびっくりしたよ。」

「彼女のこと知ってるんですか?」

「知ってるよ」

「何か惹き付けられます」

「うん。分かるよ。」
「彼女はね、城野雪っていって日本から来てるスケートの強化合宿選手だよ」

「城野雪…」
「ぴったりですね。氷が似合う」