氷雅(ひょうが)お兄ちゃん、まだ寝てて良かった…」
 私は部屋でトップスとショートパンツに着替えていた。

 黒のふわロングのウィッグを取って、それ専用のハンガーにかけ、スマホの時計を見る。

 え、もう3時!?
 月沢(つきさわ)くんの部屋に3時間いたんだ…。

 ……あ、月沢(つきさわ)くんからライン!?
 マナーモードにしておいて良かった…。

 私はトークをタップし、ラインのトーク画面を開く。

『…部屋着いた?』

 月沢(つきさわ)くんと初ライン…ドキドキする。

『うん。バレずに済んだよ』

『…良かった。星野(ほしの)おやすみ、また明日な』

『うん。月沢(つきさわ)くん、おやすみなさい』

 トークが終わると私はスマホをぎゅっと抱き締め、鞄の中に隠してベットに寝転がる。

「……疲れた」

 夢みたいな一日だったな。

 両目にじわりと涙が浮かび、
 きらきらと星のように光っては頬から零れ落ちていく。

 今日はもう、
 興奮して眠れそうにないや。