「…玄関まで送る」
 月沢(つきさわ)くんがそう言うと、

「ありす、また高校でね~」
 夕日(ゆうひ)ちゃんが手を降った。

 私も振り返し、月沢(つきさわ)くんと一緒に玄関まで歩いて行く。

 そして靴を履き、扉の前に立つ。

「…今日、来れて良かった。楽しかった」
「…月沢(つきさわ)くん、明日、高校来るよね?」

 月沢(つきさわ)くんは靴を履き、私を隣からぎゅっと抱き締めた。

 私はドキッとする。

「…あぁ、約束」
 月沢(つきさわ)くんは耳元で甘く囁くと私の頭をぽんぽんして、

 ガチャッ。
 鍵を開け、右手で扉を開ける。

 私は涙を堪えながら外に出ると、扉がぱたんっ、と閉まった。