昨日までは隣のベランダに私はいて、 仕切り板の穴から月沢(つきさわ)くんを見てた。 だけど今、同じベランダに、 月沢(つきさわ)くんの隣に私はいる。 でも、家に帰ったらもう、 “2度と会えないかもしれない” 私は急に不安に陥り、曇った夜空を見上げた。 「もし、会えなかったら?」 「…星野(ほしの)?」 私の我儘(わがまま)だって分かってる。 だけど――――。 私は涙を堪(こら)えながら月沢(つきさわ)くんをじっと見つめる。