「だってさ、深夜活発な分、朝、眠ぃし」
深夜活発なんだ…。
「でもよだれは垂らしてないから!」
「それにこれでも凜空とは同クラだし」
「ウィッグ被るの我慢して関係バレないようにいつも必死なんだからね」
「凜空とのことはここにいるウチらしか知らないし」
夕日ちゃんもウィッグ被ってるんだ…。
「地毛黒だから、なかなか上手く染まんなくて嫌になる」
「夏休みになったらもっと染める予定~」
夕日ちゃんが私に向かって言うと、
「そうなんだ」
私は胸元に右手を当てながら力なく笑う。
いいな、黒髪。
どうして私は黒髪じゃないんだろう。
月沢くんは私の頭を撫でる。
「…麺伸びる、食べよ」
「うん」



