「お、レアじゃない?」
夜野くんが三月くんのカップラーメンを見ながら言う。
「あはは、翔そっくり〜」
夕日ちゃんが楽しそうに言うと、
「…ベランダの仕切り板壊したの、このブタ猫にそっくりだったな」
月沢くんが耳元で囁く。
私は、ふっと笑う。
「何? もう秘密の誘い?」
夜野くんが月沢くんに聞くと、
「…ちげぇよ」
月沢くんが短く答える。
「なんだ、残念」
「…残念がるな」
「…星野、はい」
月沢くんがカップラーメンの蓋を開けてくれた。
服も汚したくなかったし、氷雅お兄ちゃんに香りでバレたらマズイと思って、
月沢くんと同じしょうゆ味にしたけど、ほんとは三月くんのカレー味が食べたかった…。



