総長、私のリボンほどいて。🎀


 甘い言葉。
 ほどけるのなら、ほどいて欲しい。
 だけど……。

「まだ、ほどかないで」

「…そう、じゃあ」
「…少しずつほどいてやるよ」
 月沢(つきさわ)くんは扉に突いていた右手を下ろし、
 後ろから左腕でぎゅっと私を抱き締める。

 あ、抱き締められ…。

「…黙って家出てくんの勇気いっただろ」
「…“氷雅(ひょうが)お兄ちゃん”に」

「うん…」
「いつも大事にしてもらってるのに」
「私、裏切って…」

「…よく頑張ったな」

 そんなふうに言われたら、余計に涙が止まらなくなる。

 月沢(つきさわ)くんと会ったのは、ほんの2日前。
 部屋に来たのは今日が初めて。

 なのにずっとこのままでいたいって思ってしまう。

「…あー、やばい」

「え…?」
 私は月沢(つきさわ)くんの顔を見る。
 その瞬間、甘い唇が近づいてきた……。

 ガチャッ。
 部屋の扉が開く。

怜王(れお)、来たよ」
 黒髪の男の子が言う。

 え……。