甘い言葉。
ほどけるのなら、ほどいて欲しい。
だけど……。
「まだ、ほどかないで」
「…そう、じゃあ」
「…少しずつほどいてやるよ」
月沢くんは扉に突いていた右手を下ろし、
後ろから左腕でぎゅっと私を抱き締める。
あ、抱き締められ…。
「…黙って家出てくんの勇気いっただろ」
「…“氷雅お兄ちゃん”に」
「うん…」
「いつも大事にしてもらってるのに」
「私、裏切って…」
「…よく頑張ったな」
そんなふうに言われたら、余計に涙が止まらなくなる。
月沢くんと会ったのは、ほんの2日前。
部屋に来たのは今日が初めて。
なのにずっとこのままでいたいって思ってしまう。
「…あー、やばい」
「え…?」
私は月沢くんの顔を見る。
その瞬間、甘い唇が近づいてきた……。
ガチャッ。
部屋の扉が開く。
「怜王、来たよ」
黒髪の男の子が言う。
え……。



