私はぎゅっと鍵を両手で握り締めて泣く。
「…親父、死に際に言ってたわ」
「…“好きな場所で好きな女と幸せになれ”って」
「…ありすのこと一度も話したことねぇのにな。分かってたんかな」
「…やっぱ腐っても父親だな」
「だから…この部屋に引っ越したの…?」
「…そうだよ。ここでお前と暮らしたくて」
「いい…の? 私が一緒に住んでも…」
「…ありす以外考えらんねぇよ」
やばい…嬉しくて涙が止まらないよ。
「…てか、まだ泣くの早ぇよ。左手出して」
「左手…?」
怜王くんは薬指に黒い月が描かれたプラチナの指輪を嵌めてくれた。
え、嘘…指輪……?
「…俺のも嵌めて」
「うん」
私は怜王くんの薬指に黒い星が描かれたプラチナの指輪を嵌める。
「…また泣いてる」
「だって…」
薬指におそろいの指輪…嬉しいんだもん。
「…これからここで一緒に住むことになるけど、しばらく秘密な」
「…まぁ、すぐにバレるだろうけど。特に氷雅とか」
「バレないよ」
「ここ東京だもん」
私と怜王くんは見つめ合う。



