「高3の夏に夜野くん達からお父さんのマンションから違うマンションに変わったこと聞いたけどなんで…」
「…親父が死んで遺産金で引っ越した」
え……。
「…まさかほんとに1年で死ぬとはな」
「…今はここに一人で住んでる。大学通いながら」
「そっか……って、え、大学!?」
「…あぁ、お前と同じ大学の薬学部」
私は両目を見開く。
「…就職してたと思ってただろ」
「…総長引退式の日に氷雅からお前が受ける大学聞いて、同じ大学入る為に親父の面倒とバイトしながら猛勉強したわ」
そうだったんだ……。
「でもあんまり高校通ってないって…」
「…担任に言って、夜野達にはそういうことにしておいてもらった」
「…落ちたらかっこ悪いしな」
「…大学受かって入学式の日、体調崩してブッチして、それからは学部が違うからか会えずに今日になった訳だ」
私は涙ぐむ。
「そっか…会えて良かった……」
「…ありす、晩御飯は?」
「あ、まだ」
「…じゃあ、作るわ」
え!?



