「東京支部のナンバー3の…風浦くん…?」
「当たり。今はもう18で総長だけどね」
「総長!?」
しかも18…私より一つ年下だったんだ…。
「月沢は? 一緒じゃねぇの?」
「あ……」
私は言葉に詰まる。
「族辞めたのはてっきり、あんたの為だと思ってたけど違ってたんか」
「うん。もう2年前の夏に別れたし…」
「じゃあ私、行くね…」
風浦くんの右手が伸び、
ふわロングの金髪のサイドの真っ直ぐ編み込んで三つ編みにした毛先を結んだゴムのリボンを上から掴まれる。
「俺の姫になんない? って言ったの、シーの時も今も本気なんだけど」
「え……」
「あいつと別れたんなら俺と付き合ってくんない?」
どうしよう、本気の目、してる……。
断らなきゃ…でも総長だし下手に断ったりしたら何かされるんじゃ……。
あっ……リボンのゴム、外されそう。
怜王くん――――。
雲に隠れていた兎がいそうな、まんまるで大きな満月が姿を見せる。
夏の夜空の星々がキラキラと希望に満ちあふれ、満月と共に美しく光り輝く。



