総長、私のリボンほどいて。🎀


 え…?

 自分の頬に右手で触れてみる。

 嘘…。
 私、なんで泣いて……。 

 …あ、そっか。
 月沢 (つきさわ)くんに会えたのが嬉しいんだ。
 でもそんなこと恥ずかしくて言えない。

「…これ、食べるか?」
 月沢 (つきさわ)くんは袋に入った白いサワー味のアイスキャンディーを仕切り板の穴から手渡してきた。

「うん、食べる」
 私は仕切り板に近づいてとっさに手を伸ばす。
 袋に入った白いサワー味のアイスキャンディーを受け取った瞬間、今日も指先が触れた。

「…泣いてごめんね」
「勉強疲れ溜まってるのかも」

「…勉強疲れ?」

「…氷雅(ひょうが)お兄ちゃんに言われて毎晩大学受験の勉強遅くまでやってるから」

「…大変だな」

 私は誰にも聞こえないような声でぽつり呟く。