そして、30分後。

「…じゃあ、病院戻るわ」
 月沢(つきさわ)くんがタクシーの前で言った。

 紺藤(こんどう)先生はついていけないとのことで保健の先生が一緒についていくことになった。

 ほんとは一緒に、ついていたいし傍にいたい。
 だけど、私のせいで無理させちゃったから…。

月沢(つきさわ)くん、ありがとう」
 お礼を言うと、月沢(つきさわ)くんは私の頭をぽんっと叩き、保健の先生と一緒にタクシーに乗る。

 タクシーは動き出し、やがて、見えなくなった。

 私は月沢(つきさわ)くんに付けてもらったネックレスをぎゅっと抱き締める。

 月沢(つきさわ)くん、大丈夫だよね?
 ずっと一緒…だよね?