危なかった……。
もう少しで“会いたい”って言いそうだった。
そんなの、無理なのに。
電話やライン出来るだけでも幸せなことなのに、私、我儘だ。
でも。
私はぎゅっとスマホを抱き締める。
会いたくて仕方がないの。
*
ベットが上がった状態で寝ている怜王はスマホをじっと見つめていた。
着替えは電話をする前に下っ端に頼んで済ましており、怜王はズボンにスマホを入れて、
ベットから降り、扉まで歩いて行く。
「怜王、行くのか?」
氷雅が、カーテン越しから尋ねる。
「…あぁ」
「ありすに会いに?」
「それとも、親父に会いにか?」
怜王は両目を見開く。
「…昨日の夜の電話聞いてたんかよ」
「あぁ。隣だから聞きたくなくても聞こえる」
「…親父に会って話つけた後、ありすに会いに行く」
「…ありすが待ってるんで」
「そうかよ。なら上手く話しつけておいてやる。行って来い」
氷雅がそう言うと怜王は病室から出て行った。



