「…うーん。暴走族が修旅はねぇ」
確かに行くイメージないなぁ……。
「ありす、何コソコソ話してんだ?」
「あ、氷雅お兄ちゃん、えっと来週からの修学旅行のこと話してて……」
「夏に修旅!? マジかよ」
天川くんが驚きの声を上げる。
「修旅か、懐かしいな」
「2年の時は黒坂先輩が総長で修旅なんて行ってる暇なかったし、暴走族が修旅はガラじゃないから行かなかったけど」
「ツーリングしてる時、たまたま修旅の場所通って氷雅に頼まれて鏡と3人で写メったな」
飛高くんがそう言うと私は驚く。
「え、氷雅お兄ちゃん、修学旅行、行かなかったの!?」
「あぁ。お前が行けって言うから、行ったことにしただけだ」
そうだったんだ……。
「今年も俺んとこの族は行かねぇぞ」
「でもお前は違う。族じゃねぇ」
「金のことなら心配すんな。俺がなんとかするから。行けよ」
「違う……私も行かない。明日の土曜日に退院だけど無理はだめだと思うから」
「……そうか。でも高校の修旅は一度きりだ。それでほんとうに後悔しねぇのか?」
私はへらっと笑う。
「うん、大丈夫」
月沢くんが口を開く。
「…嘘笑い、やめろよ」



