私…止められなかった……。
 私がふたりを……殺した。

 私の両目から光が消える。

「ありす、ふたりのことなんだけど」

「うん……」

「隣の部屋にいるよ」

「うん……」

 ……え?

「隣の……部屋?」

「うん、ベットで寝てる」

「それって……死んじゃったってこと?」

「ありす、あのさ」

「私のせいだ。私のせいでふたりが!」

「違う! ふたり、生きてるよ」

 生きてる――――?

「冗談…だよね?」

「冗談じゃないよ。ほんとうだよ」

 私の両目に光が戻った。

 布団を(めく)り、バッ! と起き上がる。

 くらぁっ……。

「ありす!」
 夕日(ゆうひ)ちゃんが私の体を受け止めた。

「行かなきゃ」
 私は点滴をベリっと外し、ベットの手すりを支えに降りる。

「ありす、だめだよ! まだ寝てなきゃ!」

 私は夕日(ゆうひ)ちゃんを押し切って部屋から出た。