「…ありす!?」
「なんでここに来た!?」
月沢くんに続けて氷雅お兄ちゃんが怒鳴る。
「天川くんにバイクで乗せて来てもらったの」
「天川だぁ!? あいつまた勝手なことしやがって!」
氷雅お兄ちゃんは声を荒げ、自分の前髪をぐしゃっと掴む。
「くそがっ! こんなことなら生かしておくんじゃなかったわ」
「天川くんは何も悪くない! 私が頼んだの!!」
「とにかくありす、動くな! こっちに来るんじゃねぇ!」
「やだ!」
私は氷雅お兄ちゃんに強く言い返す。
夏の夜風が吹いた。
私が着て来た氷雅お兄ちゃんの黒い特攻服の上着の裾がふわっと上がり、
繊月の光に照らされ、金髪の髪が美しく輝く。



