バイクは廃墟の前に運よく着地した。
廃墟は派手なペンキで落書きされている。
私は天川くんとバイクから降りるも、それが甘かった。
「ありすちゃん!」
「え?」
背後の有栖の親衛隊の一人に気づかず、天川くんが私を庇い、
――――ドカッ!
背後から鉄パイプで頭を殴られた。
天川くんは一瞬倒れそうになるも堪え、そいつの顎を殴り返す。
カラーン。
鉄パイプが地面に落ち、有栖の親衛隊員は倒れる。
天川くんも私の前で倒れた。
「天川くん!」
あ…天川くんの頭から血が出て……。
「俺はあの時…総長に…殺されてても…おかしくなかった」
「でも総長は…生かしてくれた…だから本望だ」
「ここは…俺に任せろ…! さっさと行け…!!」
天川くん……。
私は涙ぐみながらもコクンッと頷き、廃墟の中に入って行く。



