()…」

 呼吸が苦しくて呼べない。

「…まぁ今はいいわ、それで」

 ずるっ。
 月沢(つきさわ)くんは私のゆるTシャツを左だけ胸までずらすと、

「…最後以上の、記憶に残るの、してやるよ」

 私の心臓に直接、壊れそうなくらい深くて甘いキスを落とす。

「んああっ……」

 私の心に絡まったリボンがほどけて、飛んでいった。

 ドサッ……。
 月沢(つきさわ)くんは私の隣に倒れる。

 あ…月沢(つきさわ)く……。
 目の前が真っ暗に……。

 私は震えた手を伸ばす。
 月沢(つきさわ)くんが私の手をぎゅっと掴む。

 見えないのに月沢(つきさわ)くんが笑ってくれた気がした。
 私も幸せそうに笑うと意識を失った。