「月沢くんの看病したくて…」
月沢くんは寝たまま、腕で自分の両目を隠す。
「…あー、何俺寝てんだよ」
「…無理矢理にでも部屋に返すべきだったわ」
「氷雅お兄ちゃん、朝ここに迎えに来るって…」
月沢くんは両目を見開くと腕を下ろす。
「…許可出たんかよ」
「うん、私もびっくり…」
「…最後の情けか」
月沢くんがボソッと呟く。
ヴーヴー。
スマホのバイブ音が鳴り響く。
「え、私じゃない」
「あー俺だわ」
月沢くんは枕の隣に置いてあるスマホの応答のボタンをタップし、右耳にスマホを当てる。
「怜王」
穏やかな声が聞こえた。
月沢くんはベットから起き上がる。
「…望先輩? なんで…」
え、望先輩!?
『ワゴンタクシー、役に立ったかな?』
『偶然高校の裏通ったら凜空のバイクが停まっててね、しばらく張ってたんだ』
「…助かりました。ありがとうございます」
『今、一人?』



