「久しぶりに顔を見せたかと思えばお前は一体何をやっているんだ?」
白衣を着た夜野くんのお父さんが問いただす。
「何って人助けだよ」
「友達が不良に絡まれたのを良いことに喧嘩をすることがか?」
「お前はこの病院の跡取り息子だという自覚が足りていないようだな」
「恥を知れ」
夜野くんのお父さんは冷酷な表情でそう言うと診察室に戻っていく。
「…凜空、大丈夫?」
隣に座った夕日ちゃんが心配そうな表情で尋ねると、
夜野くんは、にこっと笑う。
「あぁ、慣れてるから」
夕日ちゃんは夜野くんをぎゅっと抱き締める。
「…傷つくことに慣れないでよ」
夜野くんは静かに涙を流した。



