総長、私のリボンほどいて。🎀


 抜け穴を抜け、先生にバレないように校舎の中を静かに通っていくと、やがて、中庭の奥の木陰に出た。

 夜野(やの)くんが私の右手を離す。

「バレずに来れたね」

「うん」

 私はキョロキョロと辺りを見渡す。

 月沢(つきさわ)くん達、いない…。
 おかしいな…。

「あの、夜野(やの)く…」

 あれ? ふわぁっとして……。

「ありすちゃん!」

 前に倒れると夜野(やの)くんは私の体を後ろから腕で支えた。

 カランッ。
 地面に蓋の開いた白いサワーの缶チューハイが2つ転がる。

「ごめんなさ…白いサワーが…」

「ううん、こっちこそ“酔わせて”ごめんね?」

 酔わ…せる?

 夜野(やの)くんは色気のある悪魔のような目をし、耳元で囁いてきた。
「…あんまり女の子に手荒なことしたくないんだ」
「…だから俺の言うこと聞くって約束してくれる?」