抜け穴を抜け、先生にバレないように校舎の中を静かに通っていくと、やがて、中庭の奥の木陰に出た。
夜野くんが私の右手を離す。
「バレずに来れたね」
「うん」
私はキョロキョロと辺りを見渡す。
月沢くん達、いない…。
おかしいな…。
「あの、夜野く…」
あれ? ふわぁっとして……。
「ありすちゃん!」
前に倒れると夜野くんは私の体を後ろから腕で支えた。
カランッ。
地面に蓋の開いた白いサワーの缶チューハイが2つ転がる。
「ごめんなさ…白いサワーが…」
「ううん、こっちこそ“酔わせて”ごめんね?」
酔わ…せる?
夜野くんは色気のある悪魔のような目をし、耳元で囁いてきた。
「…あんまり女の子に手荒なことしたくないんだ」
「…だから俺の言うこと聞くって約束してくれる?」



