7月15日の夜。私は部屋で勉強していた。

 今日は月曜日だけど海の日で高校はお休み。
 昨日のこともあって氷雅(ひょうが)お兄ちゃんとゆったり過ごしたけど、結局、勉強の習慣が抜けなくて大学の受験勉強しちゃってる。
 習慣って怖い……。

 ヴーヴー。
 私のスマホからバイブ音が鳴り響く。

 え、夜野(やの)くん!?

 私は勉強する手を一旦止めて、応答のボタンをタップし、右耳にスマホを当てる。
「も、もしもし?」

『ありすちゃん、突然電話してごめんね』
『今、一人?』
 耳元に響く色気のある声。

「あ、うん。氷雅(ひょうが)お兄ちゃんはバイトに行ってる」

『そっか、良かった』

「どうしたの?」

『あのさ、今から怜王(れお)達と高校で夜遊びすることになったんだけど、ありすちゃんも来る?』

 え、高校で夜遊び!?