総長、私のリボンほどいて。🎀



 15分後。聖アイス教会の前に着いた時には雨が降り出していた。

 鐘楼(しょうろう)が乗った双塔と繊細な装飾が施された入口上部の尖頭(せんとう)形窓が見える。

 その前に濡れた黒のバイクが停まっていた。

「このバイク、氷雅(ひょうが)お兄ちゃんの…」

「…だな」

 月沢(つきさわ)くんの腰に回した両手が震える。
 その両手に月沢(つきさわ)くんは右手を重ねた。

「…星野(ほしの)、濡れてる」

月沢(つきさわ)くんも…」

 月沢(つきさわ)くんは重ねた右手を離す。
「…早く降りて行け」

「……うん」

 私は両手を離す。
「……月沢(つきさわ)くん、連れて来てくれてありがとう」

 お礼を言うとバイクから降りて、階段を駆け上がっていく。

 月沢(つきさわ)くんは両ハンドルに体重をかけて伏せ寝する。
 ぽたぽたと前髪から(しずく)が垂れていく。

「…分かってた」
「…あいつらの絆を壊すことなんか出来やしないって」