私はベットから立ち上がり、氷雅(ひょうが)お兄ちゃんの学ランの裾を後ろからぎゅっと掴む。 「無理なんてしない!」 「私は氷雅(ひょうが)お兄ちゃんと同じ書庫蘭(しょこら)高校に行くんだもん!」 「は~、うるさいわねぇ~」 「喧嘩なら外でやってよ~」 居間からお母さんの声が聞こえてきた。 「お前うるせぇし、高校も一緒だなんてうんざりだ」 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんは私を冷たく突き放す。 「俺が話しつけてくる」 「待って! 氷雅(ひょうが)お兄ちゃん!」 ぱたん、と閉まる扉。 私はその場で崩れ落ちる。 涙があふれてあふれて止まらなかった。