総長、私のリボンほどいて。🎀


 私はベットから立ち上がり、氷雅(ひょうが)お兄ちゃんの学ランの裾を後ろからぎゅっと掴む。

「無理なんてしない!」
「私は氷雅(ひょうが)お兄ちゃんと同じ書庫蘭(しょこら)高校に行くんだもん!」
 
「は~、うるさいわねぇ~」
「喧嘩なら外でやってよ~」
 居間からお母さんの声が聞こえてきた。

「お前うるせぇし、高校も一緒だなんてうんざりだ」

 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんは私を冷たく突き放す。

「俺が話しつけてくる」

「待って! 氷雅(ひょうが)お兄ちゃん!」

 ぱたん、と閉まる扉。
 私はその場で崩れ落ちる。

 涙があふれてあふれて止まらなかった。